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2008年11月08日

エルサレムの「眠れるライオン」

2008年11月7日(木)16時のニュース

パレスチナのアブー・マゼン議長は、ラマーラで開かれたライス米国務長官との共同記者会見で、「米国とイスラエルの政権交代が終了すれば、アナポリス会議以降交渉が続いてきた交渉に基づく、イスラエル・パレスチナ間の和平を気づくことができる」と述べた。同議長は「イスラエル・パレスチナ両代表は、去る1年、時間を無駄にせず、一分一分を活用してきた」と強調。また、「交渉はイスラエル総選挙まで続く」と付け加えた。

コンドリーザ・ライス米国務長官は記者会見で、「パレスチナ国家が夢にすぎなかった長い年月の後、イスラエルとパレスチナの相違点の差は縮まった」と指摘した。同長官はまた、「この一年、イスラエル・パレスチナ双方は、全ての問題の解決に対する義務を見せた」と発言。また、「和平はまだないが、2国家設立の夢はいずれ叶う」と強調。更に、西岸地区における入植地の拡大を非難し、「双方は、お互いの信頼に害を及ぼす行動ではなく、信頼を深める行動を行うべきだ」と付け加えた。

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ガザ地区のハマス指導者のひとり、マハムード・アッザハール氏は「バラク・オバマ氏の米大統領当選が米政府とイスラム社会の関係において、新たな1ページを開くことを願う」と述べた。一方で、「イスラエルの米政府への影響のため、少なくとも当選から1年はハマスへの制裁を解かないだろう」と推測した。

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パレスチナ・イスラーム法最高裁判長官のタイセール・タミーミ氏は、東エルサレムのアラブ人に、エルサレム市長選をボイコットするよう呼び掛けた。同師はエルサレム市長選が「占領を事実化する政治的選挙にすぎない」と批判し、「選挙に参加すべきではない」と強調した。



【解説】

ライス長官が中東訪問。「アナポリス会議は成功」と言っているが、当初掲げていた「年内に和平合意」は誰もが予想していたとおり無理で、成功したとは言いづらい。イスラエル・パレスチナの和平交渉も、お互い気持はあったものの、イスラエル政界が不安定なため、どちらも進められなかった。イスラエルの選挙が終わるまでは、イスラエルもパレスチナも米国も動き出せないだろう。

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エルサレム市長選が11日(火)に迫っている(他の地方選も同じ日)。今回は世俗派のバルカット氏、
超正統派のポルシュ氏、富豪のガイダマック氏とかのテレビ1チャンネルの記者ビロン氏が出馬している。世論調査によると、ガイダマック・ビロン両氏の当選の可能性はほとんどなく、バルカット氏とポルシュ氏の一騎打ちが予想されている。

エルサレムが近年直面している問題は、人口の流出。1998年には1,100人だったのに対し、2007年には6,400人がエルサレムを後にしている。エルサレムを離れる人口は、住む家を見つけるためにエルサレム郊外に移る超正統派、兵役を終えテルアビブへ移住する世俗派の若年層、子供たちの後に続く世俗派の中年層の3種類。中でも若い世俗派の流出は深刻で、エルサレムの貧困化と過疎化が続いており、エルサレムを離れた世俗派の8%が「エルサレムの宗教化」を移住の原因として挙げている。

そのため、今回の選挙は「世俗派vs超正統派」の構図となっている。バルカット氏は現在、政治的に右派に属するため、左派は懸念しているが、「超正統派よりはマシ」と考えている。この考え方は、多くの地方選および総選挙でもいえることで、有権者は「誰はより悪くないか」と考え投票に向かっている。

さて、エルサレム地方選におけるもう一つの大きな層が、「眠れるライオン」と呼ばれるアラブ系市民である。75万3千人の市民の内、30%以上がパレスチナ人で、活用すればとてつもない政治力を持っているのが「ライオン」(エルサレムのシンボルでもある)の由来。しかしながら、パレスチナ市民が選挙権を執行することはこれまでなかった。それは、投票が東エルサレムにおけるイスラエルの占領を承認したことになると考えてきたからである。

それでも30%の潜在的な威力はあり、2国家案がつぶれ、エルサレムがパレスチナの首都になる可能性が薄れれば、アラブ系市民が「投票」という形でエルサレムの「奪還」を目指す可能性も十分あり、アラブ系市長の誕生もある、とする考えが出てきている。そのため、イスラエルではエルサレムの「アラブ化」を防ぐために、早期のエルサレム分離を検討している者もいるという。しかし、東西エルサレムの分離が、イスラエルが望む形で行われるとは限らない。これまで、占領という形であれ、エルサレム市役所から色々な権利を得てきた市民が、パレスチナ領エルサレムに住むことを拒み、イスラエル領の西エルサレムに移住してくる可能性も指摘されている。

そのようにして、エルサレム市役所が世俗派・超正統派・アラブに三分された場合、与党の成立が難しくなり、それぞれのパワーバランスを考慮しなくてはならなくなる。ライオンも眠りが覚めた時、エルサレムの政治は大きく変わる。

参考:
ハアレツ紙 エルサレム市長選:誰がより悪くないか? (2008/10/17)
Ynet エルサレムのアラブ人 市長選の「眠れるライオン」 (2008/10/17)













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投稿者 moshe : 2008年11月08日 01:16

コメント

 moshe様、今晩は。

 そうですね、イスラエルでは火曜日の選挙実施が慣例でしたから今日ですね。エルサレムとテル・アビブの市長は。

 エルサレム市長選はバルカット氏、先行逃げ切りといった様相ですね。ただ、10%ぐらいが決めあぐねているとのことですのでどうなりますか・・・・。

>さて、エルサレム地方選におけるもう一つの大きな層が、「眠れるライオン」と呼ばれるアラブ系市民である。75万3千人の市民の内、30%以上がパレスチナ人で、活用すればとてつもない政治力を持っているのが「ライオン」(エルサレムのシンボルでもある)の由来。

 3年前のディズエンゲージメントの根本は、結局のところ人口問題、ユダヤ人とアラブ人の出生率を考えれば、そう遠くない将来にアラブ人がユダヤ人を一呑みにしてしまうことだと思いますが、そうですかアラブ系住民は30%にも上るわけですか・・。

 

投稿者 一刀両断 : 2008年11月11日 22:32

一刀両断様

エルサレムはバルカット氏の勝利に終わりました。
ちなみに、30%はエルサレムだけの話です。
全国では約20%です。念のため。

投稿者 moshe : 2008年11月13日 07:37

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