2008年02月01日
ヴィノグラード調査委員会報告書への各方面からのコメント
2008年1月31日(木)20時のニュース
ヒズボラ指導者のハッサン・ナスラーラ師は「ヴィノグラード調査委員会の結論は、イスラエルが第2次レバノン戦争での敗北を認めた証拠だ」と強調した。シリア通信社の取材に対し同師は「レバノン各組織は一丸となり、イスラエルによる敗北の自認を利用すべきだ」と言明した。
レバノンのシニオラ首相府は「ヴィノグラード報告書からは、イスラエルが将来、レバノンを再攻撃することが理解できる」と非難した。レバノン軍のミシェル・スリマン司令官は「イスラエルは、1年半前の戦争が、イスラエルの仕掛けた戦争であることを認めた」と指摘した。
エリ・アフラロ与党党首は、ネタニヤフ野党党首によるオルメルト首相への辞任要求に対し、「ネタニヤフのように、恥を知らず、自分の都合のいいことだけ覚えている人間のみが、責任について説教したり、人の過失について語ったりするようなことが出来る」と批判した。これに先立ち、ネタニヤフ野党党首は「オルメルト首相は戦争で過失を犯し、現在は責任から逃れようとしている」と非難。また、「3人の戦争指導者のうち、2人は辞任したが、政治指導部や首相は辞職から逃れ、誠実さやリーダーシップの発揮を怠っている」と付け加えた。
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イスマイル・ヘニヤ氏のアハメド・ユスフ政治顧問は「ハマスは、イスラエルに対するガザ地区の経済的依存を断ち切るため、エジプトがガザ地区に燃料や電気を提供することを望む」を述べた。同顧問はマアン通信社の取材に対し、「複数のアラブ諸国が、エジプトがその条件に応じた場合、経済的負担の一部を担うとした」と言明。「同件については、カイロにおけるエジプト政府高官との会議で話し合う」と指摘し、「このような取り決めは、イスラエルからの完全な分離と、ガザ地区の独立を確立する」と強調した。
カイロでは、ハマス幹部らと、オマル・スリマーン諜報機関長率いるエジプト代表の会談が数時間続いている。アルジャジーラは「エジプト側がガザ地区・エジプト国境の突破に懸念を示し、イスラエル撤退後の管理形式に戻すよう提案した」と報道。同合意によると、エジプトパレスチナ自治政府とEUの監査官が検問所を管理。ハマスは管理への参加を要求し、イスラエルによる遠距離からの監視に反対の意を示した。
【解説】
上記に付け加えて、ペレツ前国防相は「先の戦争はレバノン撤退以降の現実を変え、ヒズボラも次回は自由に行動することを避けるだろう」として、第2次レバノン戦争の正当性を強調した。また、レバノン撤退を決断したバラク現国防相については、「合意の無い撤退が、南レバノンにおけるヒズボラの強化を呼んだ」と非難。前任のモファズ元国防相については、「国防軍における問題が大きくなっていた時代、副参謀総長、参謀総長、国防相と歴任したが、注意することも無く、黙り続けた」と批判。バラク元首相とモファズ国防相が、軍の合理化を図り、予算を削ったことを牽制した。
オルメルト側近は、首相が報告書を読んだ際に、「涙を流すほど感動していた」と語っている。また、側近に「やっと真実が明らかになった」と述べたらしい。
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昨日の記事で書き逃した点は、最終報告書が政治および軍指導者の個人的責任を問わなかったのは、個人的責任を追及した場合、法的な問題で報告書の提出が遅れるのどの問題が起こるたと判断した調査委員会が、自ら言及を避けたため。調査委員会のエリヤーフ・ヴィノグラード委員長は「我々が個人的責任について触れていないからといって、個人的責任が無いというわけではない」と強調。また、中間報告書は、問題が続発した開戦までのプロセスに焦点を置いたため、前回のほうが今回より厳しい形になった。
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さて、今回の報告書は一方で、個人的責任の言及を避け、一部の決定(特に戦争終結間際における決断)を妥当としたため、オルメルト・ペレツおよび支持者は「やっぱり僕たちは間違っていなかったでしょ」と正当化。もう一方で、批判もかなり多いため、ネタニヤフおよびオルメルト反対者は「やっぱりオルメルトは間違っていた」と批判。誰もが自分の都合の良いように報告書を利用している。
下記はイェディオット紙に掲載された、報告書に関する世論調査。
オルメルト首相に関する報告書の記述は、予想と比べて厳しいか否か?
予想より厳しい 4%
予想通り 35%
予想より厳しくない 61%
ハルーツ前参謀総長に関する報告書の記述は、予想と比べて厳しいか否か?
予想より厳しい 9%
予想通り 47%
予想より厳しくない 29%
ペレツ前国防相に関する報告書の記述は、予想と比べて厳しいか否か?
予想より厳しい 11%
予想通り 40%
予想より厳しくない 41%
軍隊に関する報告書の記述は、予想と比べて厳しいか否か?
予想より厳しい 45%
予想通り 39%
予想より厳しくない 61%
「軍・政治指導者に関する記述は予想通りだが、軍隊への批判はそこまで大きくなるとは思っていなかった」との考えが多いと見える。
首相にふさわしいのは誰か?
エフード・オルメルト首相 18% (最終報告書前は8%)
エフード・バラク国防相 14% (最終報告書前は17%)
ビンヤミン・ネタニヤフ野党党首 30% (最終報告書前は33%)
誰もふさわしくない 38% (最終報告書前は37%)
オルメルトが少し挽回し、バラクを上回った。
オルメルトは辞任すべきか?
すべき 56% (報告書提出前は77%)
すべきでない 35% (報告書提出前は21%)
オルメルト支持というより、「他にいい人がいないから、仕方が無いからオルメルト」という雰囲気が感じられる。
軍隊は教訓を得たか?
得た 75%
得ていない 20%
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投稿者 moshe : 2008年02月01日 07:41
コメント
Moshe様、今晩は。
オルメルト氏の支持がバラク氏を上回っているのは意外でありますが、これは以前バラク氏が「最終報告が出次第、即連立離脱」と宣言していたため、その整合性が問われているのだと思います!
また、イスラエル政界においては一にも二にも軍功・軍事的指導力が要求されると思いますが、オルメルト政権に関してはまったくのシロウトという言い方はできるのでしょう。オルメルト氏もリブニ女史はもとより、ペレツ氏に至ってはは労働組合のトップ。
投稿者 一刀両断 : 2008年02月03日 00:52
>一刀両断様
バラクは今後厳しい立場になると思いますが、しばらくは静かにして挽回のチャンスを狙うと思います。オルメルト政権の素人さは政権発足当時から言われていたことですね。国防相のポストを労働党に譲ったオルメルトもオルメルトですが、受け取ったペレツもペレツ(副国防相のポストを設けずに!)。2人とも「何とかなる」といい加減に考えていたのでしょうね。
>Qちゃん様
「イスラエル用語辞典」に関する的確なご指摘のコメントを頂いたのですが、こちらの手違いで削除してしまいました。1人の方のコメント重複することがよくあり、中身を見たつもりが、コメントを2つ頂いていたことに気づきませんでした。深くお詫び申し上げます。
投稿者 Moshe : 2008年02月04日 08:02