2007年12月30日
2007年のまとめ② ~検索ランキング~
今年の当サイトへの検索語句を、アクセス数順にまとめてみました。一番多かった検索が「モシェ・カツァブ」。セクハラ疑惑で、最悪のイメージのまま任期を終えた大統領が、2位以降の検索語句をダントツで離して1位になりました。ランキングは以下の通りです。
1位 モシェ・カツァブ前大統領
2000年、有力候補のシモン・ペレス議員(現大統領)を破って、大統領選に勝利したモシェ・カツァブ。貧しい中東系移民から、大統領まで上り詰めた政治家として一定の評価はあったのだが、2006年にセクハラ及び婦女暴行疑惑が浮上して以来、評価は逆転する。結局裁判にはならず、今年、司法取引でセクハラを行っていたことを認め、裁判は避けることに成功した。しかし、司法取引はかなりの批判を買い(事前に十分な下調べをしなかった検察庁も非難の対象となった)、「セクハラ大統領」として後世に名を刻むことになった。大統領官邸で行った、メディアへのバッシング演説など、見苦しいことをしたことなども記憶に残っている(全てが嘘ではないが…)。
2位 パレスチナ問題
パレスチナへのユダヤ移民が始まって以来、今日まで続いているユダヤ人とアラブ人の問題。現在も、イスラエル占領下にいる、あるいはイスラエルの出現によって難民となったパレスチナ人と、イスラエルの間で続いている。問題の要点は、国境問題(パレスチナ国家を作ることを前提とするならば、それをどこに作るか?)、エルサレム帰属問題(エルサレム、特に聖地はイスラエル・パレスチナどちらの管轄となるのか?)、パレスチナ難民問題・帰還権(パレスチナ難民に元々住んでいた土地への帰還権を与えるか?また、与えた場合、イスラエル国内への帰還権は与えるか?など)、ユダヤ人入植地問題(現在西岸地区にあるユダヤ人入植地を今後どうするか?)、パレスチナ・イスラエル国家承認問題(パレスチナはイスラエルを国家として認めるか?イスラエルはパレスチナ国家の樹立を認めるか?など)、テロ問題(和平合意の条件として、テロ組織を解体するか?)など、他にも色々ある。
3位 アナポリス会議
停滞しているイスラエル・パレスチナ間の交渉を再開するために、2007年11月、米メリーランド州のアナポリスで中東和平会議が開かれた。イスラエル、パレスチナ自治政府、米国、EU、ロシア、国連、エジプト、ヨルダンなどが参加。また、イスラエルと外交関係の無いサウジ、シリア、スーダン、レバノン、マレーシアなども参加した。シリアは、会議直前まで参加の意向を明らかにせず、ゴラン高原の帰属問題を議題とすることを参加条件としていたが、結局参加した。しかし、ゴラン高原問題は議題とならず、「だまされた」として遺憾を示した。イスラエル側からは、オルメルト首相、リブニー外相とバラク国防相が参加。パレスチナ側からは、アブー・マゼン議長とサラーム・ファヤド首相が参加した。
会議では、パレスチナ問題の終結に向けて努力すること、イスラエル・パレスチナ首脳が定期的に会談することなどで合意。しかし、アナポリス会議は各方面から非難を浴びる。全体としては、会議に向けた準備が不十分であったことに対する指摘が多かった。また、イスラエル右派やパレスチナ過激派などは、「(自国は)譲歩しておきながら、何の公約も得られなかった」として非難した。
4位 イラン・イスラエル
近年話題となったイランの核開発問題。イランが核兵器を手に入れれば、自国の存在に関わるとして、イスラエルは再三非難している。アフマディーネジャード大統領が「イスラエルを地図上から消す」などの発言をしていることなどから、現実味もある。イスラエルがイラクの核開発を止めるために、核施設を爆破したことなどから、「外交が失敗した場合、イスラエルは軍事的な方法でそれを阻止するのではないか」とも噂されているが、イスラエルが独断でイランを攻撃するのは不可能。仮にその手段が選ばれたとしても、他国との協力の下行われるといわれている。
5位 テロ/自爆テロ
一般市民を恐怖に陥れることによって、政治的目的を達成しようとする組織暴力。イスラエルでは、パレスチナ・テロ組織が、イスラエル市民に対するテロを行っている。パレスチナによるテロはイスラエル建国前から行われているが、1993年以降は、ハマスなどによる自爆テロがはじまり、2000年に始まったエルアクサ・インティファーダでは自爆テロが主な手段としてとられている。しかし、2005年以降、自爆テロの数は大幅に減少している。テロの目的は、イスラエル市民の戦意を落とすため、パレスチナの現状を世界のメディアを通して提示するため(この目的は、テロが頻繁になった時点で意味がなくなっている)、イスラエルに経済的打撃を与えるため(テロが続くと、イスラエルへの観光客が減り、海外からの投資も少なくなる)など。
6位 エフード・オルメルト首相
2006年、シャロン首相(当時)が突然入院したことで、総選挙に出馬することになり、本人にそのつもりが無かったのに首相になってしまった人。同年に勃発した第2次レバノン戦争の責任を問われ、大きなバッシングを受けた。今年、ヴィノグラード調査委員会は首相に戦争失敗の責任があるとして痛烈に批判する中間報告書を提出。ハルーツ前参謀総長とペレツ前国防相は同報告書を受け辞任したが、オルメルト首相は続投を表明。内閣維持を確定するためにイスラエル・ベイテイヌを与党に入れるも、支持率は10%を割っており、歴代首相の中でも、最も人気の無い首相となっている。
7位 イスラエル・シリア
イスラエルが第2次レバノン戦争でミサイル対処のなどの弱さを暴露したことで、今年、ゴラン高原奪還に関するアサド大統領の多くの発言が目立った。しかし、イスラエルがシリアで、核施設とされる場所を爆撃。イスラエル・シリア双方は爆撃に関するハッキリとしたコメントを控えたが、ネタニヤフ野党党首が「核施設爆破」が軍事作戦の目的だったとする発言をしたことで議論を呼んだ。
今年は、イスラエル・シリア双方で、和平交渉に前向きな発言も複数見られたが、毎回相手が拒否。シリアはアナポリス中東和平会議にも参加。ゴラン高原が議題にならなかったことに遺憾を示した。
8位 ハマス
パレスチナの過激派組織・政党。2006年初旬、評議会選挙で勝利し、最大政党となり、ハマスのイスマイル・ヘニヤ氏が首相となる。同年末、同じくパレスチナ組織のファタハとの衝突がガザで始まり、今年7月、ガザ地区を占領した。これに対し、アブー・マゼン議長は挙国一致内閣の解散を指示。西岸とガザ地区に2つのパレスチナ内閣が存在することとなった。
ハマスは今年も周辺のイスラエルの町へのロケット攻撃を続け、一番の被害を受けた町がスデロット。ロケットの一部はアシュケロンにも届いた。また、拉致兵士ギルアッド・シャリットの監禁も続けており、イスラエルに釈放の条件として、パレスチナ囚人の釈放を要求している。
9位 エイラット
紅海に面する、イスラエル最南の町。ヨーロッパで夏が終わっても暖かく、綺麗なビーチがあるエイラットは、多くの観光客が訪れるリゾート地でもある。今年1月、エイラットでパレスチナ・テロ組織による自爆テロが発生。イスラム聖戦、エルアクサ殉教旅団など、3つの組織が犯行声明を出した。犯人を乗せたタクシーの運転手が不審に思い、わざとホテル外から遠くに下ろし、警察に通報したことで、より多くの犠牲者を出さずに済んだものの、3人が死亡した。
犯人がイスラエル領内に簡単に入り、簡単にエイラットにたどり着いたことから、ガザ地区周辺のセキュリティーのあり方も問われた。エイラットは観光で成り立っている町であるため、テロは町の経済状況に打撃を与えた。
10位 シモン・ペレス大統領
長年政治家を務め、経験していない閣僚ポストはほとんど無い、大ベテランでありながら、勝負どころに弱く、肝心なところで負け続けてきたシモン・ペレス。2000年にまさかの敗北を喫した大統領選に再び出馬し、見事に勝利を収めた。しかし、大統領の人気が終わるときは既に90歳を過ぎており、「いつまでやるの?」と見られている面もある。
また、カツァブ前大統領の不祥事などから、金が多くかかる大統領というポストが本当に必要かという主張も一部で聞こえた。
11位 エフード・バラク国防相
2005年に政界に復帰したエフード・バラク元首相。今年1月に行われた労働党の党首選で、アミー・アヤロン議員を破り、労働党首に就任。ヴィノグラード調査委員会の中間報告書が提出されると、「最終報告書の提出と共に、内閣から脱退する」と宣言(現在では、この公約を破りそうな雰囲気)。第2次レバノン戦争での不祥事により辞任したアミール・ペレツの後任として、ガザ地区でファタハとハマスの衝突が続く中、国防相に就任した。国防相就任後は、右よりの政策を取っている。
12位 第2次レバノン戦争
昨年勃発したイスラエルとヒズボラの戦争。ヒズボラがイスラエル兵士を拉致したことに対し、イスラエルはレバノンで軍事作戦を展開。イスラエル北部全域もロケット弾も被害を受けた。
13位 アリエル・シャロン前首相
2006年1月、選挙前に脳卒中で倒れたイスラエル前首相。現在の政界にリーダーに成り得る人物がいない中、シャロンのリーダーシップを懐かしむ人も多くいる。現在、意識不明のまま入院中。
14位 核兵器保有国/核開発/核兵器
イスラエルは、正式には「核兵器を持っていない」としているが、核兵器保有疑惑がある国でもある。今年は、イランの核開発により、イスラエルの対応も注目された。昨年12月には、オルメルト首相が、誤ってイスラエルの名前を「核兵器保有国」として挙げてしまう事態が起こった。
同率14位 ガザ地区/ガザ
昨年末に始まった衝突の末、今年7月にハマスがガザ地区を占領。ちなみに、ガザ市はテルアビブ市の姉妹都市でもある。イスラエルとエジプトが国境を封鎖したため、同地区は孤立。また、イスラエルは9月に、ガザ地区を「敵対象」として、西岸のパレス雛自治政府と区別し、ガソリンや電気などの提供を中止できるようにした。
16位 スデロット
カッサム・ロケット弾の被害を受けるイスラエル南部の町。今年4月に情勢が悪化し、一時期大幅に減っていたカッサム・ロケット弾による被害が倍増する。そのため、町の経済状況は極めて悪く、失業率も高い。
17位 マハムード・アッバス(アブー・マゼン)議長
パレスチナ自治政府の議長。前任のアラファトほどのリーダーシップは発揮できず、パレスチナ各組織の対処に悩んでいる。
18位メッカ合意
パレスチナ挙国一致内閣の樹立とファタハ・ハマス抗争の終結を取り決めた合意。両組織の衝突が続き、2つの内閣が出来ている現状では、合意は死滅しているといえる。
同率18位 イツハク・ラビン元首相
和平路線を推進したイスラエル元首相。95年11月に暗殺される。今年は、暗殺者のイーガル・アミールが獄中で息子に割礼を行い、道徳に関する議論を呼んだ。
20位 テルアビブ
イスラエル第2の都市で、経済・文化・産業の中心地でもある。入植以来初のユダヤの町でもある。
21位 カチューシャ・ロケット
第2次レバノン戦争において、ヒズボラがイスラエル北部に飛ばしたロケット弾(イスラエルでは、ミサイルとされている)。ハイファなど、北部国境から離れた町にも着弾し、テルアビブへの着弾が懸念された。
22位 カッサム・ロケット弾
ハマスがイスラエル南部に飛ばしているロケット弾。簡単に飛ばすことが出来るため、イスラエル軍も対処に苦戦している。
23位 ミュンヘン
ミュンヘン・オリンピック後に展開された、モサドによるパレスチナ・テロ組織幹部の暗殺を描いた、スティーブン・スピルバーグ監督の映画。公開時、イスラエルでも、議論を呼んだが、「あのような素人をモサドが派遣するはずが無い」という声が多く聞こえた。どちらにしろ、事実を描いた映画ではないので、向きになる必要も怒る必要も無いだろうに。
24位 ビンヤミン・ネタニヤフ野党党首
イスラエル最大野党リクードの党首。元首相。次期総選挙に向け、沈黙を守っているが、シリア核施設爆撃疑惑事件の際には「爆撃の決定に関与した」と述べ、一部から非難を浴びた。
同率24位 ベングリオン空港
イスラエル最大の国際空港。中東で最も忙しい空港の一つ。
26位 アヌアール・サダト大統領/サダト暗殺
元エジプト大統領。77年にイスラエル訪問を敢行(今年は訪問30周年)。79年には、イスラエルと和平交渉を結んだ。
27位 ヒズボラ
レバノンで活動する過激派組織。2006年の第2次レバノン戦争で、イスラエルの弱みを暴露したことで株を上げた。
同率27位 ハレド・メシャル
ハマス政治部門最高指導者。
同率27位 ファタハ
パレスチナ組織。アブー・マゼン議長やファヤド首相が所属する。ガザ地区を賭けた戦いで敗北する。
同率27位 迷子の警察音楽隊/The Band’s Visit
今年公開されたイスラエルの映画。イスラエル・アカデミー賞を総なめ。カンヌ国際映画祭でも評価され、東京国際映画祭でもグランプリを取った。
31位 ロバート・オーマン教授(ノーベル経済学賞受賞者)
32位 アシュケロン(南部の町)/ラフィ・エイタン(年金党党首、同姓同名の元参謀総長もいる)/ヴィノグラード調査委員会(第2次レバノン戦争に関する中間報告書を提出)/パラダイス・ナウ(テロリストの視点から見た映画)
36位 超正統派
37位 エルサレム(イスラエルの首都)/アミー・アヤロン議員(労働党党首選でバラク国防相に敗北)
39位 ハイファ(イスラエル第3の都市、第2次レバノン戦争でロケット攻撃の被害にあう)/リクード(イスラエル最大野党)
41位 ゴラン高原(67年からイスラエル領となっている、イスラエル・シリア間にある地域)/ダリヤ・イツィク国会議長(セクハラで職務停止となったカツァブ大統領の代りとして大統領代理となる)/ナクバ(イスラエル建国に伴いパレスチナ難民が発生したいきさつをアラブ側の視点から語る言葉)
44位 ホロコースト(第2次世界大戦時に行われたユダヤ人大量虐殺)/ゴラーニ旅団(北部で活動するエリート戦闘部隊)/ユリ・タミール教育相(学生、中高教師、大学教授などの長期ストでバッシングを受ける)
47位 受胎告知協会(ナザレにある教会)/ジョナサン・ポラード(イスラエルのスパイ、米刑務所にて服役中)/イーガル・アミール(ラビン元首相の暗殺者、今年息子に獄中割礼)、アビグドール・リーベルマン大臣(イスラエル・ベイテイヌ党首、戦略大臣)
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投稿者 moshe : 2007年12月30日 23:49