2007年11月20日
サダト大統領のイスラエル訪問30周年
1977年11月19日、エジプトのサダト大統領がイスラエルを訪問した。時は、ヨムキプール戦争の4年後。政権交代によるリクード政権誕生の半年後。訪問は19日(土)から21日(月)まで続いた。アラブ国家の首脳がイスラエルを公式に訪問するのはこれが初めてで、イスラエルでは近隣諸国との和平に対する大きな期待が生まれた。
サダト大統領の訪問はそのままイスラエル・エジプト和平合意につながり、サダト大統領とイスラエルのベギン首相はノーベル平和賞を受賞。和平合意の一貫として、イスラエルは占領していたシナイ半島を返還。訪問からの数年間は、希望に包まれた時代だった。
しかし、サダト大統領は1981年に暗殺され、その後の出来事などもあり、イスラエルとエジプトの交流は決して温かいものとは言えず、「冷たい平和」と呼ばれている。ラジオでは、エジプトとの和平合意に関する意見が2つあったので紹介する。
否定論
エジプトとの和平合意は「非戦闘」のための合意であって「平和」のための合意ではない。これはあくまで「冷たい平和」。貿易、文化交流、エジプト人による観光、などはほとんど無く無い。エジプトは、イスラエルの弱体化が望んでいるため、ハマスの活動に目を瞑っている。石油の元や紅海への出口を失ったシナイ半島の返還が、本当に正しい選択だったのかは現時点で判断することは難しい。
肯定論
サダト訪問時は、イスラエル側もサダト自身も、これがイスラエルとアラブ諸国との平和に繋がると期待していた。期待は外れたものの、和平合意が国家同士の温かい交流に繋がるというのはナイーブだ。勿論「温かい平和」であればよかったが、「熱い戦争」よりはマシ。仲が悪くても、何とかうまくやっている国は世界中にある。エジプトとの平和は、サダト暗殺、第一次・第二次レバノン戦争、インティファーダをも乗り越えてきた。これは、両国の平和がエジプトの国益でもあるという証拠。「冷たい平和」であったとしても、このような関係が、他のアラブ諸国やパレスチナとあったら、イスラエルの状態はもっと良かった。
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投稿者 moshe : 2007年11月20日 00:22
コメント
追記:
サダト大統領の訪問は、大統領が訪問への意向を示してから9日後に行われたため、イスラエルではてんやわんやの大騒ぎだったそうです。というのも、イスラエルには敵国の首脳を招待した経験が無く、どう対処していいか分からなかったからです。
イスラム教徒の大統領を招待するわけだが、乾杯のときはどうすればいいのか(酒はだめ)?ユダヤの王の名前がついているホテルに留めるのは、まずくないだろうか?空港には首相と大統領のどちらが迎えに行くべきだろうか?などなど、色々と考えたそうです。
また、イスラエル側は訪問中の暗殺を防ぐため、護衛にも最新の注意を払ったそうで、テルアビブとエルサレムの病院では、常時サダト大統領用の血液が用意されていたとか… エジプトとの交渉に反対するユダヤ人過激派かや、イスラエルとの交渉に反対するアラブ人からの攻撃は勿論、万が一サダト大統領を乗せた飛行機から攻撃がある可能性も考えられていたそうです(今となってはおかしな話ですが)。
投稿者 Moshe : 2007年11月21日 02:25