2007年06月17日
英サンデー・タイムス紙「イスラエル、ハマス撲滅作戦を計画」
2007年6月17日(日)6時のニュース
国防当局は臨時体制に入り、防衛当局主要関係者は「ハマス当局が存在していない状態を作り出す必要がある」と述べた。同関係者は「武器密輸を食い止め、ハマスの承認やハマスへの経済援助を阻止する必要がある」と強調。また「イスラエルの殲滅を狙うハマスと話し合うことは出来ない」と言明したものの、「政策や目標を変えれば別だ」と付け加えた。
同関係者はさらに「ハマスによるガザ地区占領やファタハの壊滅について、防衛当局は驚かなかった」と述べ、「シリアにいるハマス指導部はこのような占領を計画しておらず、指導部はハマスの占領を早すぎたと考えている」と説明。「西岸地区とガザ地区の分離は、パレスチナ自治政府に取って代わろうとするハマスの望みを阻止した。占領は、エジプトなどのアラブ諸国を危険にさらすクーデターだ」とした。
同関係者は取材に対し「軍は自治政府や自治政府の防衛局に武器を渡すことに反対した」と述べた。また「軍は再三、ハマスが強力な軍事力を蓄えており、いつでも権力を握ることが出来ると警告したが、このように早くクーデターを行うとは考えていなかった」と強調した。
英サンデー・タイムス紙は「エフード・バラク次期国防相は、ガザ地区を占領したハマスを壊滅させるため、数週間中に軍事作戦を計画している」と報道した。イスラエル軍主要関係者は同紙の記者に対し「軍事作戦では2万人の兵士が参加し、目標は数日中にハマスの基盤を破壊することだ」と指摘。記事は「軍事作戦の口実は、イスラエルへのロケット攻撃か自爆テロの再開となる」と記述。また、数日中に国防相に就任するバラク氏は既に、軍機や無人探査機の援護を受けた、2つの歩兵部隊の配置に関する計画を要求。バラク側近は「イスラエルは自国の隣でのハマスタン建国を黙認できず、攻撃は止めることは出来ない」と言明した。
エフード・オルメルト首相は訪米に向けた出発前に「イスラエルはパレスチナ新内閣を承認する」と述べた。同首相は「ハマスのいない内閣はパートナーであり、イスラエルは協力する」と発言。また「ガザ地区での出来事は政治面で、これまでにないチャンスをもたらした。このチャンスを生かすために、全力を尽くす」と指摘。訪米中の飛行機の中で同首相は記者団に対し「これまで我々が知っていたパレスチナ自治政府の問題を、国際社会やパレスチナ人自身が理解した。過半数がテロ組織である内閣とは交渉できないが、ハマスでない政府はパートナーであり、相応しい対応を与える」と強調した。
これに先立ち政府高官は「ハマスは国際的に孤立しており、ガザ地区に住む百万人以上のパレスチナ人を、自力で対処しなくてはならない」と述べた。サラーム・ファヤド率いる新内閣は、国際社会の承認や経済援助を受ける。同関係者によると、オルメルト首相とブッシュ米大統領は、アブー・マゼン議長の強化と、政治プロセスの進展について会談する。
アブー・マゼン議長は昨夜、ハマスが過半数を占める評議会(国会に相当)の承認を得ることなく任命できる令状に調印した。サラーム・ファヤド首相と閣僚11人は今日、ラマーラで宣誓する予定だ。
これと同時に、パレスチナ自治区では、殺戮が続いている。ハマスは「2日前占領したファタハの防衛局の建物では、ハマス活動家7人の死体が発見された」と主張。ファタハは、エルアクサ殉教旅団の活動家2人と防衛局の将校1人が殺害されたとした。
アブー・マゼン議長のムハマド・ダハラン防衛顧問は「ハマスはガザ地区への責任、特に経済への責任を持たなければならない」と述べた。同顧問はテレビ局アルアラビアに対する取材で「起こりうる全ての政治的、法的、人道的な出来事への責任はハマスにあり、ハマスはこれに対する代償を払わなくてはならない」と強調。また「ハマスが速やかにガザ地区を占領できたのは、ファタハの治安当局は、イスラエルとの闘争に疲れ、ハマスとの抗争への準備が整っていなかったからだ」と指摘。現在ラマーラにいるダハラン顧問はハマスを「殺人者」「犯罪者」と称し、「アラブ諸国で集めた資金を、自国民の殺害に使った」と非難した。「歴史的なイスラム帝国の建国を宣言し、好きなような名前をつければ良い」と比喩した。
【解説】
イスラエルを含む各国は、ハマスによるガザ地区占領への対処が求められています。イスラエルは、ハマス内閣を承認せず、新内閣を承認することを決定しました。しかし、アブー・マゼンはハマス内閣を解任し、イスラエルはハマス撲滅作戦のためにガザに侵攻するとなると、去年1月の選挙は何だったんでしょう?
夏にはガザ地区で戦争となるような雰囲気で、どうもきな臭いです。イスラエルとしては、ガザ地区にハマスののみの政府が出来ることは好ましくないので、何らかの処置を取るでしょうが、大規模な作戦を行うことは大いにありです。新聞の社説では、「早いうちにハマスを叩いておけ」というものが多く、実際そうなる可能性も高いです。考えてみれば、去年も紛争は元々ガザ地区で始まり、そこにヒズボラが便乗したわけで、今年もそうならないとは限りません。
ちなみに、イスラエルのメディアでは、ガザ地区は現在「ハマスタン」と呼ばれています。イスラエルのネーミングセンスはすごいと思います(しかし、レバノンは「ヒズボランド」となると思ったら、ヒズボラスタンとなっていました)。
投稿者 moshe : 2007年06月17日 18:20
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.israel-radionews.com/moshe/mt-tb.cgi/409