2007年03月16日
「自分は人気が無い首相」オルメルト
2007年3月15日(木)22時 FM95のニュース
オルメルト首相は今日「私に対する(汚職)捜査や、支持率低迷にもかかわらず、任期終了まで続行するつもりでいる」と述べた。同首相はカディーマの理事会会議で「私は支持率ではなく、世界で一番困難な状況にある国の運営を第一に考えている」と発言。また「知名度の向上や、なんらかな利益を得ようとしているものが、私に対するスキャンダルを作り出した」と非難。「私は、捜査員と協力しており、隠すことは何も無い」とした。
同首相は「ヴィノグラード調査委員会は、まだたくさんの証言や情報を収集しているため、今判決を下すことは相応しくない」と付け加えた。また、自身の目の前にある数々の任務を想起し、「イランの脅威の他に、あなた方が知らない部分でも戦わなくてはならない」とした。
オルメルト首相は批判者を非難し、「我々は狩りのシーズ中だが、私はリーダーとして働くためにここにいる」と強調。また「私は、国民のために働き、カディーマ投票者に奉仕しており、長い間それらを続けるつもりでいる」とした。
カディーマの主要閣僚は、同党理事会会議で、オルメルト支持を表明した。リブニー外相は「カディーマは今、台風の目にいる」として、「カディーマ党員は皆、団結し続ける」というメッセージを発信するよう呼びかけた。
シャウル・モファズ大臣は、首相の後ろに立ち、カディーマは安定したリーダー的な党であると言うよう呼びかけた。
ロニー・バロン大臣は、報告書提出前の発言続けているとして、ヴィノグラード委員会と国家会計監査官を非難した。労働党のアミー・アヤロンに対しては、「どこに急いでいるのか」と質問。ネタニヤフに対しては「クーデターを狙っている」と非難した。
首相の演説に対しリクードでは、「オルメルトの支持率が低いのは、職務中に取り返しのつかない失敗をしたからだ」と強調した。また「国民の過半数がオルメルトは辞任すべきと考えているのには理由がある」と主張。
国家統一党・国家宗教党のウリ・アリエル党首は、オルメルト首相に辞任し、祭壇の角を握らないようを呼びかけた。同党首は「国民の間では、正当な嫌悪感が蔓延している」とした。また、全政党の間で、新しい選挙の時期を決めるよう呼びかけた。
【解説】
レバノン戦争以来、どんどん支持率が下がっているオルメルト首相。一説によると、現在の支持率は3%だとか・・・(ペレツ国防相にいたっては、1%とも言われている)。そんな中、ヴィノグラード調査委員会が、首相を非難したら、オルメルトは辞任を強いられる可能性が高いとして、代理の首相を探す動きがカディーマ内で強まっているらしい。今回の演説は、カディーマの結束と、カディーマ内の自分の指示を保つことが目的といられている(安倍首相の支持率がどんなに低くなろうが、今のオルメルトよりはましだろう)。
オルメルトの支持率が低下するなか、虎視眈々と首相の座を狙っているのが、労働党のアミー・アヤロンとリクードのネタニヤフ。不信任案が通り、2人のどちらかが過半数を確保できれば、代わりの内閣が出来る可能性もある(エフード・バラクは議員ではないので、無理らしい)。
しかし、どの政党もまだ選挙になるとデメリットのほうが大きいようで、現状維持の方がいいらしい。オルメルトの今後も、ヴィノグラード委員会の報告書次第。どうなるかはまだ見当つかないが、イスラエルで任期を無事終えた内閣はそんなにいないことを頭に入れておいたほうが良い。
【ヴィノグラード調査委員会】
第2時レバノン戦争(2006年)とその前の出来事を調査するために設置された委員会。名前は、元裁判長のエリヤーフ・ヴィノグラード委員長に因んで。
―――
レバノン戦争終結以来強まっていた、国家調査委員会設立の声を受け、内閣は2006ん3ん9月ヴィノグラード調査委員会を設置。同委員会は、レバノン戦争に関する以下の調査を命じられた。
・政治部門:2006年7月の兵士拉致から始まった、政府の戦争準備について。政府がどのように、軍や国民を戦争に備えていたか。
・軍事部門:戦争に対する軍の準備。
1. レバノンからの脅威に対する準備
2. 戦争中の軍の運営。後方の準備や、軍事活動開始の決定などについて
・今後の改善についての推薦
オルメルト首相、ペレツ国防相、ハルーツ前参謀総長に対する、個人的な批判も予想されている。その場合、既に辞任しているハルーツに続き、オルメルトやペレツも辞任を強いられる可能性がある。
投稿者 moshe : 2007年03月16日 22:20
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.israel-radionews.com/moshe/mt-tb.cgi/347
コメント
エフード・バラクはてっきり議員だと思ってました。
調べたら、去年の3月の総選挙の際に出馬するのやめてたんですね。
でも、労働党内のゴタゴタや、国防大臣の交代問題が表面化した際、エフード・バラクが出てくるのはどうしてなんですか?
彼は労働党には籍を置き続けているということですか?
その前提で議員外の閣僚起用を視野に入れていたと言うことでしょうか?(ダニエル・フリードマン司法相のように)
投稿者 KJ : 2007年03月18日 06:29
バラクは、2001年シャロンに負けた後に政界を離れていましたが、2004年に政界復帰を表明しました(その際労働党に戻っています)。2006年の選挙の前に、党首選手つばを試みますが、過半数が取れないと分かり断念しました。
しかし、5月の党首選には出馬していて、彼が首相の座に戻ることを狙っているのは明らかです。党首選に出馬しているバラクやアヤロンが国防相になろうとしているのは、国防相として実績を残しておけば、首相になるときに有利だからです。イスラエルの歴代首相を見てみても、国防相経験者が確実に多いです。
つまり、バラクが労働党の騒ぎのときにいちいち出てくるのは、首相に返り咲くための準備と考えてもらえればいいでしょう。今、国防相になった場合、KJさんの仰るとおり、議員外の起用ということになると思います。
投稿者 Moshe : 2007年03月18日 09:02
早速のコメントありがとうございました。
大変よく分かりました。
オフィル・ピネスも党首を狙ってるますよね。
一部にはシモン・ペレスももしかしたらなんて聞きますけど、こちらは大統領選挙狙いで党首選挙には出馬しない可能性が高いですよね。
何にしろ、労働党党首選挙に向けた動向が楽しみです。
投稿者 KJ : 2007年03月18日 17:01
某調査では次の首相はリブニが1位とか出てましたね。
個人的には私も彼女を推します。
しかしここまでオルメルトがダメな子とは…政治家としての運もあるんでしょうが…
投稿者 shaul : 2007年03月19日 00:27
>KJさん
さすがにペレスは労働党には戻れないと思います。
一応、党首に選ばれなかったからといって、裏切ってカディーマに移籍した人ですから。
>shaulさん
たしかに、オルメルトがいなくなれば、カディーマ内の人気No.1はリブニーでしょう(ただしカディーマ自体の人気が低いので、人気のある首相になれるかは疑問です)。
投稿者 Moshe : 2007年03月19日 17:38