2006年08月14日
今日から停戦。政府非難の予兆
2006年8月14日06:00 FM95 のニュース
2時間後、停戦が開始する予定。レバノン防衛関係者によると、イスラエル空軍はティルスを数箇所爆撃した。また、バアル・ベック南方では9人が死亡し、30人以上が負傷。多数の住民が瓦礫の下敷きになっている。イスラエル国防軍によると、これまでの戦闘でヒズボラ活動家約530人が死亡した。
レバノンの国連大使は「レバノン南部に配備される部隊は、無理にヒズボラを武装解除しない」と発言。「ヒズボラ活動家は武器を保持したまま南部を離れ、代わりにレバノン軍と国連部隊が配備する」と説明した。
ヌアド・マハムード大使はCNNの取材に対し「この停戦は双方への試練だ。数週間中に、誰が国連の決議に従い、誰が破るかがハッキリするだろう」と述べた。また「戦争初日から同趣旨の合意は出来たず。しかし、イスラエルは戦争を開始し、国を破壊、1,000人以上を殺害する事を選んだ」と非難。「レバノンはイスラエルと和平条約を結ぶ最後の国だ」と苦々しく述べた。
エフード・オルメルト首相は今日国会で、国連安全保障理事会決議受諾の理由について演説する予定。その後、ビンヤミン・ネタニヤフ野党党首が演説。アミール・ペレツ国防相は労働党党内会議に参加する。
国会では、戦争準備と意思決定に対する調査団の設立を要求する声が高まっている。メレツ・ヤハッド党のヨースィー・ベイリン党首と国家統一党・国家宗教党のベニー・エロン党首は調査団結成に賛成している。労働党のナディヤ・ヒロー議員は国家会計監査院に、戦争中の民間防衛のあり方、特にアラブ系の町の戦争準備について調査を要求した。
イランのアフマディーネジャード大統領はアメリカを「イスラエルを盲目的に支持している」として非難し、「このような支持は、全世界、特に欧米諸国を危険にさらす」と警告した。また「ヒズボラは自国を守る国民組織」とした。
テレビチャンネルCBSの取材に対し同大統領は、イランの核兵器開発可能性を否定。しかし「ブッシュ大統領とその支持者は、テヘランの核研究を止める事は出来ない」と述べた。
【解説】
一昨日、作家ダビッド・グロスマンの息子がレバノンで戦死した。
−−−
今朝8時、停戦が始まる予定。今回の戦争でのイスラエルの死者は153人(兵士113人、民間人40人)。負傷者2740人(内兵士が675人)。4,000発以上のロケット弾が、イスラエルに向けて発射された。戦争中、家を離れた北部住民は約50万人。イスラエル経済の損失は約230億シェケルtされている。
レバノン側では死者1,000人(内350人がヒズボラ活動家と推測)。約50万人が難民となったといわれている。
戦争中、ほぼ一致して戦争を支持していたイスラエル世論だが、戦争終結と共に政府非難が強まる事が予想されている。理由は以下の通り。
まず、戦争の準備が殆ど出来ていなかったこと。攻撃の的となった北部の町には、壊れていたりして使えないシェルターや、町によってはサイレンが鳴らないところなどもあった。他にも、食料や中部以南での受け入れ策にも問題があり、政府がちゃんとしなかったとの不満が高まっている。
戦争準備が整っていなかったのは後方だけでなく、前線も同じ。今回の戦争では、ヘルメットや防弾チョッキなど、前線の兵士に最低限必要な武器が不足しているとの声が、特に予備役兵から聞こえた。そのため、多くの兵士が必要外のところで、危険にさらされた。軍は国防省の予算削減を理由とした。
次に、戦争のやり方も問題となっている。「地上戦はもっと早く始めるべきだった」、「地上戦は拡大すべきでなかった」など色々な非難が元上級将校などからでている。また、ひとつの事を言いながら、ほかの事をやってみたりした事から、政府の決断力不足も指摘されている。このように、作戦がちゃんと考えられていなかった事が問題となっている。これが、戦死者続発につながったとの非難がある。
また、戦争の終わり方、つまり安保理決議も問題となっている。ヒズボラは解体しない、南部から出るのかも分からない、レバノン軍や国連は信用できるのか、結局事の発端となった兵士も帰ってこない… と代償に対する戦利が低いように思われている。
このため、1ヶ月もシェルターにいて、カチューシャの攻撃を受け、あれだけの死傷者が出たのに、結局何を得られたのか?という考えになる。ここから、「そもそも、この戦争は必要だったか」、「必要であったとしても、問題があったのではないか?」などの疑問が出始めている。
こんな事から、政府非難が高まり、オルメルト政権崩壊あるいは早期選挙ということもありえる。
投稿者 moshe : 2006年08月14日 15:36
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.israel-radionews.com/moshe/mt-tb.cgi/226
コメント
問題はオルメルト(首相)もペレツ(国防相)も、いずれも与党党首ってことですよね。おいそれとクビにはできないかと。
オルメルトはともかく、ペレツにはおよそ向いてないポジションだと思いますが…
投稿者 Shaul : 2006年08月14日 23:34
すぐにクビには出来ないでしょうが、オルメルトもペレツも立場的に
かなり苦しくなると思います。これから、野党や世論から
非難が相次ぐことが予想されます。
野党左派からは「なぜ戦争をした」あるいは「なぜ早く終わらせ
なった」、右派からは「なぜもっと戦利をあげなかった」といった
非難が来るような気がします。既に国会内では、今戦争に関する
調査団の設立を呼ぶ声が高まっています。
また、党内で反対派の派閥が出来る可能性があります
(カディーマのモファズは既に党首の座を狙っているとも
言われています)。労働党でも、選挙で約束していた
社会改革を捨て、国防相になったペレツに不満を持っている
議員もいるようです。
投稿者 Moshe : 2006年08月15日 00:27
> オルメルトはともかく、ペレツにはおよそ向いてないポジションだと思いますが…
ペレツの国防相就任は当初から、経験の無さが指摘されていました。
また、労働党内でさえ左派のペレツに国防相が務まるのかという
声もありました。
ペレツには、選挙時掲げていたスローガンなどから、社会福祉相か
同趣旨のポストが提示されていました。しかし、労働党に提示された
ポストの中で一番重要だったのが国防相でした。
国防相には、ベンエリエゼル元国防相かアヤロン元対内諜報機関長の
方が相応しいとの意見もありました。しかし、ペレツとしては労働党党首
としての面子のため、どうしても国防相の座が欲しかったという訳です。
こうして、ちょっと不思議な「ペレツ国防相」は誕生しました。
投稿者 Moshe : 2006年08月15日 06:10