2005年09月18日
内務監査局: 10月事件は警察の責任ではない
2005年9月18日15:00 FM95 のニュース
内務監査局は、イスラエル系アラブ人13人が死亡した、5年前の「10月事件」に関わった警官の誰をも起訴しないことを決定した。
一部の事件は証拠不十分であるとして不起訴になり、他は監査局がどの警官が関わっていたか突き止められなかったことから不起訴になった。
被害者の遺族が死体検査を拒否したのも、実際に使われた武器と警察が保持している武器を比べるのが困難になった原因の一つである。
一部の場合では、監査局は、警察側の「自衛権である」との主張を否定できないと決定した。
ガイ・ライフ警察署長の件では、内務監査局の結論はオール調査委員会の結論と異なる。オール調査委員会によると、ライフは暴動に対し実弾を使用し国民2人を死亡させた。しかし、内務監査局の結論は、刑法の裁判に必要なだけの証拠が無い為、事件を終了することを決定した。
ウム・エルファヘムで狙撃兵が投石するデモ隊に発砲した事件では、オール調査委員会は、実弾使用は正当では無いと決定。アリック・ロン北部指揮官に対し刑法違反が無かったか検討することを推薦した。
しかし、内務監査局の結論は、デモ隊による酷い治安悪化と暴力があった事を考えると、アリック・ロンの決定は違法であったとは決定できない、というもの。
モシェ・ヴァルグマン軽視の件も証拠不十分とされた。
オール国家調査委員会と内務監査局の見解は、異なる部分が多い。オール調査委員会は、10月事件で死亡した一部のアラブ系国民は、不当な発砲によって死亡したという見解を出した。このような発砲は、打たれた相手が死に至らなくても、刑法違反とみなされる。
調査委員会は、現場の警察官だけではなく、発砲を許可した警察司令部にも責任があるという結論を出した。
アブドル・マルク・デハム議員は、起訴を取り下げるという内務監査局の決定に対し、「この決定は13人の国民を再度殺すことだ」と発言した。また、この決定は「警察はアラブ人を殺しても許される」というものだ、と非難した。
アハメド・ティービー議員は決定に対し、「国民の殺害は犯罪であり、犯罪があるからには犯罪者がいる」と発言した。ティービー議員によると、内務監査局は、犯罪者の罪を消し、その罪を被害者に着せている。また、この決定は、「警官はアラブ人を殺しても後で昇進できる」、というメッセージだ、と非難した。
内務監査局ヘルツェル・シュヴィロ局長は、監査局の決定は警察の10月事件での罪をもみ消す為のものだ、という声に反対した。シュヴィロ局長によると、監査局はこれまでも、アラブ人に危害を加えたり暴行した警官を起訴してきた。
また、この決定がアラブ人への差別によるものだ、という意見にも反対した。シュヴィロによると、起訴が取り下げられたのは、遺族が死体解剖に反対したことと、事件から長い時間が経ったのが、原因だ。
【解説】
10月事件は、下に説明してあるとおり、2000年のエルアクサ・インティファーダ勃発に伴いイスラエル国内で行われた、暴動を鎮めようとした警察がアラブ系の国民13人を殺してしまった事件。
この事件の後に作られた国家調査委員会(オール調査委員会)は、警察側に責任があるとして、現場の刑事だけではなく、指揮官達にも事件への責任があるとした。
しかし、今回の内務監査局(マハッシ)の結論は、オール調査委員会の結論を覆すもの。警察側に罪は無かったとし、起訴を取り下げた。
この決断に対し、左派とアラブ系の政治家は猛反対している。この決定については、今後国会で審議される予定。
10月事件とは、200年10月初頭に起きた、イスラエル系アラブ人(イスラエル国籍を持つパレスチナ人)のデモ隊とイスラエル警察の衝突の際、13人が死亡した事件のことをいう。
これは、イスラエル独立後何度かあった、イスラエル系アラブ人とイスラエル警察との衝突の中でも、最も激しい衝突だった。
イスラエル系アラブ人についてはまたの機会に…
―――
2000年9月末エルアクサ・インティファーダ勃発。これに対しイスラエルでも、占領地のパレスチナ人との共鳴の為のゼネストが、イスラエル系アラブ人により、10月1日に決行される。
10月1日、その日まで行われていたデモが、ゼネストを受け、暴動に発展。
10月3日までの間に10人のイスラエル系アラブ人が死亡。
一時期デモは沈静しつつあったものの、10月7日、レバノンで3人のイスラエル兵がヒズボラに誘拐された。これを機に、ユダヤ人によるデモも拡大していく。
7日には、ユダヤ人デモ隊と警察との衝突で、1人死亡。8日には、ユダヤ人デモ隊とアラブ系イスラエル人のデモ隊との衝突で2人死亡した。
デモに対する警察の対応と事件の結果については、また次回…
投稿者 moshe : 2005年09月18日 23:05
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